works

発注から納品・その後のストーリー

episode 03

実現できるかわからない
ただただ「どうすればできるのか」を考える

社会を支える、水を止めないための自給ポンプ

受注案件

案件概要

案件名 自給ポンプ(SQポンプ/FQポンプ/SQDポンプ/RQポンプ)
クライアント 荏原製作所様
  • 実現出来るかは不明瞭。でも「どうすればできるのか」を考える
  • 何度も試行錯誤を繰り返し、製作環境を整えた
  • 指示書に書くことが出来ない職人の技が必要で、品質水準クリアまでの苦労も

ご相談のきっかけ

荏原製作所様の製品である「自給ポンプ」についてのご相談を受けました。元々、自給ポンプはOEM製品として別の企業が製作を担っていたのですが、その企業の経営方針が変わってしまい、納期を守ってくれない、資材調達も上手くいかないといった問題が生じるようになり、先方がとてもお困りになっている様子をみて、島田工業が代わりに製品製作を行うことに手をあげました。これまで通り自給ポンプを販売していきたいという先方の想いをお伺いして、実現出来るか不明瞭でしたが、社長が諦めることを許さないお方なので絶対に助けたいという気持ちで取り掛かりました。

製作過程での試行錯誤

まず、自給ポンプの理解を深めるため島田工業社員が荏原製作所様に出向き、製品をばらして組み立てるという作業を繰り返して弊社の技術で製作できるのかを吟味しました。その後、弊社工場内で、自給ポンプを製作する環境を作ることが出来るのか設備のレイアウトを先方との打ち合わせを行いながら考えました。先方とこれまでの認識と今後の方向性を擦り合わせるために何度も話し合う必要があったことや、コロナウイルスの影響で部品入手が困難になることもありました。お客様との信頼関係を時間をかけて築き上げたことによって、ようやく荏原ポンプエリアの稼働率を見込んでいた稼働率まで高めることができました。

製作する中での課題

法的な部分で、電気用品安全法の基準をクリアさせることが非常に難しかったです。工場の認定を得られるまで試行錯誤し続けました。ポンプが動くのは当たり前で、水を正常に汲み上げる力を電気用品安全法の標準をクリアした数値で出さないといけません。その能力をだすためにはかなり微細なコツが必要で、指示書に書くことが出来ない職人の技が必要となってくるため、かなり苦労しました。

完成した製品の使用用途

主に、工業用水や農業用水をくみ上げる際や、消火栓などに使用されます。地下8m〜10m程度を掘り、ストローでポンプと地下水路を繋げてポンプの力で一気に地下水をくみ上げることが出来ます。工場を建てる際には、必ず消防設備として消火ポンプが入っている消火栓を作らないといけません。その場合、殆ど地下水からくみ上げる必要があります。また、畑は水道が通っておらず、用水路が設置されていない畑も多くあります。けれど水は絶対必要であるため、農業用水としても使用されます。また、震災時には、インフラ整備のために真っ先に受注がはいります。水を止めないためにもこの自給ポンプの存在が社会の根底を支えるのだという使命感をもって製作しています。

今案件の制作の流れ

  • 部品支給
  • モーターにフランジ(モーター組み立て)
  • ポンプベースの組み立て
  • 芯だし(勘とコツ部分)
  • 塗装・性能試験

お客様の声

島田工業は無理そうなことも、諦めずに要望を叶えてくれる企業です。これまでも弊社の製品に対して、徹底的に時間と労力を割き、前向きな姿勢で製作してくれていると感じます。担当者とも、人と人との関係性で向き合ってくれるため、率直な意見をお互いで言い合えるような信頼関係を築くことができたからこそうまくいったのではないかと思っています。