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発注から納品・その後のストーリー

episode 8

「なんでもチャレンジする製造業」、その原点はここから。

氷屋さん並みの硬くて透明で溶けにくい板氷を手軽に

自社開発

案件概要

案件名 板氷製造機
クライアント 京都某有名料亭
  • 30年前に開発したかちわり氷太の技術を元に製作
  • 天然氷クラスの透明な美味しい氷を作るのは至難の業
  • お客様が氷の調達にかかる手間や労力を大幅に削減

 

素材 :SUS304

サイズ:D:500*W:620*H:895

製作までの経緯

こちらは約30年前に自社開発製品として販売していた「かちわり氷太」です。
この製氷機は主に飲食店向けに販売されていました。

 

その特徴は、工事などが必要なくコンセントに接続するだけで、氷屋さんが作るような硬くて溶けにくく美味しいブロック氷を生成できることです。
お店側で手軽に本格的な氷を提供できるため、お客様に大変喜ばれていました。

 

 

 

そしてまた、お客様から新たなニーズを頂き、
これまでの技術をもとに板氷が作れる製氷機の開発をするきっかけとなりました。

お客様の新たなニーズとは

京都に所在する由緒ある料亭では、夏季には料理の盛り付けに氷を利用しています。
食材を板氷の上に美しく配置し、お客様に見た目にも楽しい料理体験を提供するためです。

 

しかし、それには大きな氷を専門業者から調達し、手作業で切って板状の氷に加工する必要がありました。
この作業には多くの労力が必要であり、その手間に困っていたそうです。

 

そこから弊社にご相談を頂き、効率的に氷を提供できる方法はないかと、板氷製造機を開発することが始まりました。

製作過程での試行錯誤

 

濁りのない透明な氷を作ることは、製氷機の開発において最も困難な部分でした。

氷が白く濁る原因は、通常、気孔(きくう)と呼ばれる微小な気泡や不純物が氷の結晶内部に含まれることにより起こります。
急激に凍ってしまうと水が凍る際に不純物や気泡が排除されずに結晶内に取り込まれてしまうのです。

冷媒の量を調節するなどし、トライアンドエラーを重ねました。

 

また、逆にゆっくりと均一凍らせてしまうとに水分子が完全に結晶化せずに過冷却状態となることがあります。
この過冷却された水が急激に凍ると、シャーベット状になり気孔が形成され濁りが生じてしまいます。

 

過冷却を解消することも課題の一つでした。

 

【過冷却とは】
水が氷点下の温度になっても凝固せずに液体のまま存在する現象です。
過冷却の水に衝撃を与えたり氷のかけらを入れたりすると、一瞬にして氷に変わります。

完成した製品のその後

板氷製造機の開発後は、様々な成果が得られました。

 

まず、製氷機の導入により、料亭や飲食店の方々は氷の製造にかかる手間や労力を大幅に削減することができました。

また、製氷機によって生成される氷は、透明度が高く不純物が入らないため、料理や飲み物の品質向上に貢献します。

 

さらに、製氷機は専門業者から氷を調達する必要がなくなり、コスト面でも効果的です。

製氷機の開発は料亭や飲食店の業務効率化や品質向上に大きく貢献し、お店とお客様の双方にとって優れた成果をもたらしました。

 

そして現在2023年、

「かちわり氷太」のリニューアル機を開発進行しております。

 

 

↓↓ 動画もご覧ください ↓↓

 

 

開発担当者 技術開発部 長谷部

今案件の制作の流れ

  • ディスカッション
  • CADデータ作成
  • 図面制作
  • 部材調達、部品製造
  • 組立
  • 性能テスト、改良